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臨床遺伝専門医を目指す方へ

1991年に開始された日本人類遺伝学会臨床遺伝学認定医制度と、1996年に開始された日本遺伝カウンセリング学会遺伝相談認定医師カウンセラー制度は、2002年4月1日より統一化され、臨床遺伝専門医制度(以下、専門医制度)として施行されることになりました。
以下の解説は、これから臨床研修を積んで臨床遺伝専門医になろうとしている方々のために作成しました。専門医制度の基本精神と制度の大要をよく理解し、多くの方々が臨床遺伝専門医を志してくださるよう希望します。

制度の大要

認定の基準について:専門医となるためには、次の要件が必要です。

(1)継続して3年以上、日本人類遺伝学会あるいは日本遺伝カウンセリング学会の会員である者
(2)継続して3年以上、日本専門医機構の定める基本的領域の学会の専門医または制度委員会の認める専門医(認定医)である者
*上記専門医についてはこちらをご確認ください
(3)認定研修施設に所属する指導責任医、あるいは認定研修施設外に所属する指導医の指導を受けながら、臨床遺伝の研修を3年以上行い、遺伝カウンセリングを含む遺伝医療を実践した者
(4)遺伝医学に関係した学術活動(論文発表、学会発表等)を行っている者
(5)臨床遺伝専門医行動目標(以下行動目標という)に記載されている能力を有する者

以上の要件を充たした者は、臨床遺伝専門医制度委員会が実施する認定試験の受験資格を得ることができ、認定試験に合格すれば専門医となります。

認定に必要な専門医(認定医)について

*日本専門医機構の定める基本領域専門医*

総合内科専門医*内科専門医小児科専門医皮膚科専門医精神科専門医
外科専門医**整形外科専門医産婦人科専門医眼科専門医耳鼻咽喉科専門医
泌尿器科専門医脳神経外科専門医放射線科専門医麻酔科専門医病理専門医
臨床検査専門医救急科専門医形成外科専門医リハビリテーション科専門医総合診療専門医

*制度委員会が認める専門医*

消化器病専門医循環器専門医呼吸器専門医血液専門医内分泌代謝科専門医
糖尿病専門医腎臓専門医肝臓専門医アレルギー専門医感染症専門医
老年病専門医神経内科専門医リウマチ専門医がん薬物療法専門医消化器内視鏡専門医
消化器外科専門医呼吸器外科専門医心臓血管外科専門医小児外科専門医

*認定内科医の資格のみでは申請できません。
**外科認定医・外科認定登録医の資格でも申請可能です。

認定研修施設に在籍する医師の研修について

施設の指導責任医に依頼してください。
研修施設で定められたカリキュラムがありますので、指導責任医の指導に基づいて研修を進めてください。
認定試験の受験申請に当たっては、以下の条件を満たす必要があります

(1)周産期・小児期・成人期・腫瘍において行われる遺伝医療領域の20例以上の症例を担当もしくは陪席する.20症例には全ての領域を含み、各領域の症例数は少なくとも3症例を要する.20症例のうち5症例は詳記を記載し、詳記の5症例には周産期、小児期、成人期、腫瘍の各領域を含むこと.更に5症例のうち少なくとも3症例は申請者自身が遺伝カウンセリングを行う.
(2)所属する施設で上記研修領域を網羅できない場合は,ロールプレイ実習のある以下の研修会に参加,不足領域のロールプレイに1回以上参加し,参加証明を添付した申請書に研修内容を記載する.
・日本遺伝カウンセリング学会
遺伝カウンセリング(GCRP)研修会(1日間)

(3)定期的に開催される症例検討会および教育的行事に参加する.
(4)研修期間中に少なくとも2回は日本人類遺伝学会または日本遺伝カウンセリング学会の学術集会に出席すること。
(5)臨床遺伝関連の論文または総説2編以上を発表すること(研修期間外の論文も可)。臨床遺伝に関する学会発表2回で論文1編に代える事が可能(共同演者を含む)

認定研修施設以外の施設に在籍する医師の研修について

指導医一覧から最寄の施設名と指導医を探して、直接指導依頼を行ってください。
認定研修施設以外の施設に在籍する医師が研修を行う場合は、以下の要件をすべて満たす必要があります。対面指導可能な指導医を探し、その指導医の指導のもと、研修を進めてください。

(1)指導医資格をもった臨床遺伝専門医に研修指導を依頼し,承諾の上,研修開始届けに必要事項の記載を得ること.
(2)以下の研修会に参加し研修単位を20単位以上取得すること.
・日本人類遺伝学会
遺伝医学セミナー:10単位
・日本遺伝カウンセリング学会
遺伝カウンセリング(GCRP)研修会:5単位

(3)上記研修会におけるロールプレイ実習に合計6回以上参加し参加証明を取得し,参加証明を添付した申請書に研修内容を記載する.
(4)遺伝カウンセリングを含む遺伝医療を20例以上担当もしくは陪席し,指導医の対面指導を受けること.この20例の遺伝医療には,周産期・小児期・成人期・腫瘍において行われる遺伝医療のすべての領域が含まれること.20症例には全ての領域を含み、各領域の症例数は少なくとも3症例を要する.なお,複数の指導医による対面指導を合計することができる.20症例のうち5症例は詳記を記載し、詳記の5症例には周産期、小児期、成人期、腫瘍の各領域を含むこと.更に5症例のうち少なくとも3症例は申請者自身が遺伝カウンセリングを行う.
(5)研修期間中に少なくとも2回は日本人類遺伝学会または日本遺伝カウンセリング学会の学術集会に出席すること。
(6)臨床遺伝関連の論文または総説2編以上を発表すること(研修期間外の論文も可)。臨床遺伝に関する学会発表2回で論文1編に代える事が可能(共同演者を含む)

資料

研修記録用紙記入の手引き

研修開始登録について

研修開始登録についての資料、必要提出書類を掲載しています。

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